2020年6月1日

アクセス解析で重要な指標となるCVRとは?

ウェブサイトの運用において、アクセス解析を元にした分析/改善は必要不可欠です。
そこで、出てくる重要な指標の一つにCVRがあります。
インターネットを中心とした事業、特にEC業界の企業においては、当たり前のように耳にする言葉ですが、聞き慣れない人も少なくないでしょう。
そこでここでは、このCVRについてご説明します。

CVRとは

CVRは、「Conversion Rate」を略した言葉で、「コンバージョン率」や「顧客転換率」という訳で解釈されています。
その意味は、ECサイトの購入率や資料請求等の申し込みといった、顧客の行動がどのくらい目標に達しているかを示す指標を意味しています。
このCVRを指標として活用する場合は、数値の種類をベース(母数)として判断するかを決めておく必要がありますが、企業のサイトにおけるCVRでは、サイト訪問者(見込客)をベースとして、どれくらいの人がコンバージョンに至ったかという率を示すことが多いです。

ちなみにこの「コンバージョン」とは、企業サイトにアクセスして訪問した人が、商品やサービスを購入したり契約することやカタログ・資料請求をするようなことを意味しています。例えば購入回数をコンバージョンとした場合、以下のような計算式となります。(数値は例です)

10回(購入回数) ÷ 20,000 UU(訪問者数) = 0.5%(CVR)

このように本来は「顧客転換」ということを意味していた言葉なのですか、インターネットの活用が事業戦略やマーケティングの重要な手段と位置付けられることの多い近年、インターネットを利用する利用者の行動をコンバージョンとして解釈するようになったのです。
その結果、インターネット業界における「コンバージョン」は「アンケートに回答したり、カタログを請求すること」や「メルマガ会員に登録」、「ECサイトでの商品の注文」等を指すようになっています。

CVRの重要性

CVRは、インターネットでサイトからの売上を拡大させるための重要な指標であることは言うまでもありません。
したがって、CVRを指標として見えてきた課題を解消することは、サイトの訪問者数や商品の売上増に繋がります。
このことから、ウェブサイトのアクセス数を定期的に解析し、利用者がコンバージョンに達するための改善施策を検討するために、CVRが欠かすことのできない重要な指標となります。
そのために、ウェブサイトの事業戦略に携わる担当者は日々、CVRの動きを把握しておくことが大切なのです。

CVRの計算式

具体的にCVRの計算式は次のようになります。

コンバージョンに到達した人数÷トータルのサイトアクセス数=CVR(コンバージョン率)

但し、中には評価指標として顧客をベースに置くのではなく、サイトを訪問した人数(=セッション数)やコンバージョンの回数を分母とするケースもあります。
その時の計算式は以下のようになります。

コンバージョン数÷サイト全体のセッション数=CVR(コンバージョン率)

また、用途によっては、特定ページを閲覧した人の内、何人がコンバージョンまで行ったかを把握するために活用する場合もあります。
この時の計算式は次の通り。

特定ページからコンバージョンになった人数÷特定ページを閲覧した人数=CVR(コンバージョン率)

CVRと言うと、その大半はサイト訪問者全体に対するコンバージョンにつながった人数を示しています。
しかし、母数を変えて使うこともできるので、Webサイトの中で特定ページを訪問した人にフォーカスを当てることでも活用できるわけです。

CVRを上げるため

ウェブサイトの事業戦略において、CVRは重要な指標です。
CVRを向上させるためには、コンバージョンに至らなかった離脱の要因を探り、コンバージョンまでの導線を見直すことが重要です。例えば資料請求をコンバージョンとして、申し込みフォームでの離脱が多い場合、入力項目数が多すぎないか、必須項目の設定は適切か、スマホでの操作が難しくないか、といった改善を検討することが重要になってきます。
このような改善は、単なるCVR向上に繋がるだけでなく、顧客に対する利便性向上にも繋がります。

そのため、CVR向上のための施策は、サイト訪問者に対する使い勝手のサービス改善という意味でも、積極的にやるべきことでもあります。
CVRを見ていくことで、サイトの様々な指標を把握し、そこから得られた数値から施策や検証を繰り返すことができるようになるからです。

但し、これらの改善施策は一度にやるのではなく、一つの施策を実施して一定期間の間で集計した解析データを元に検証しながら進めていくことがポイントとなってきます。
一度に多くの施策を実施すると、どの施策による改善かが把握しづらくなるため、施策の改善効果を確実に検証しながら進めることをおすすめします。

CVRの改善施策例

CVRの改善施策は求めるコンバージョンにより様々ですが、いくつか例をあげてみます。

検索機能の見直し
例えばネットショッピングの場合、CVRの改善は、すなわち商品を買いやすくするということにも繋がります。
商品を購入したい人は自分の欲しい商品を探すために検索するのですが、色、サイズ、型番、年代など、商材により様々な検索したい「条件」があります。
その行動に対して、売りたい商品の条件を検索できる機能が備わっているか、商品のタグ付け等の設定が適切かどうか、このような視点から明確な解決策などを実施することが、CVRの向上に繋がります。

サービスを紹介する説明の見直し
CVRを上げるためには、商品・サービスに対する顧客の購買意欲を高める必要があります。
そのため、顧客のメリットや既存顧客の利用例などを訴求する専用ページを作ることも重要です。
以下のような情報をまとめたページを作成することで、商品・サービスに対する理解度が高まるので購買意欲向上にも繋がりますし、販促の際にはランディングページとしても使用できます。

・同業他社との比較表
・利用者の声(ECならレビュー機能など)
・これまでの販売実績数
・全体の流れ(申込、決済方法→メール受領→何営業日で発送、配送業者は〇〇、など)

最後に

このようにCVRを上げるためには、集客の専用ページを作り上げて、一定のアクセス数をキープした上でサイトのランディングページに導くことが必要です。